1.[講演会]11:00〜12:15 工学部創造工学スタジオ
司会:神戸大学工学振興会 常務理事 山本和弘
開会挨拶:KUC運営委員長 山本勝也
講演者:神戸大学工学部長 薄井洋基教授
演 題:「機能性流体の開発と実用化(産学連携の実例)」
(講演概要)
(1)法人化された神戸大学工学部の21世紀におけるあるべき姿、中期目標、中期計画、工学部の歴史、学科の変遷と現状、資金状況、特に文部科学省からの予算(平成17年度)6億4千万円が毎年減らされる運命にあること、しかし、外部資金として6億8千万円ほど獲得していて、これをより増加させるべく努力していること、そのために、工学部の研究成果であるシーズを企業の方々に利用してもらうべく、『工学フォーラム』や『KOBE工学振興懇話会』(工学部の研究シーズを企業の方に分かりやすく説明する会)を立ち上げて努力しているので、皆様の応援をよろしくお願いしたい。
(2)機能性流体の開発と実用化
工学部応用化学科 薄井研究室では薄井教授、鈴木助教授、菰田助手と博士後期院生4名(内留学生2名)、前期院生7名、学部生7名で共同研究を行っている。
テーマは、・燃料電池の電極膜作成法、・太陽電池の電極膜作成法、・省エネ空調に関する研究、・蛍光薄膜の塗布技術、・セラミックス成型技術、・ラインミキサー技術である。 機能性流体の実用化への研究は産学連携で行っており、1972年から基礎研究を始め、1990年に基本特許を出願、現在、実証試験を行っている。
現代のオフィスビルは冷暖房の空調無しには考えられないが、冷暖房は冷温水で熱を移動させて行うので、それに消費する電力は莫大である。冷温水は配管の中を通して各部屋に導くが、配管の内側の壁に抵抗があるのでエネルギーロスが生じる。配管の中をエネルギーロスを生じさせないで冷温水を通すことができれば省エネになる。例えば、「30人31足競争」のゲームがあるが、端の人の側に壁になる見物人がいたら邪魔になって早く走れないだろう。転んでグチャグチャになるかも分からない。端の人が転びそうになっても隣に横綱クラスの人がいて支えれば転ばなくて走れる。冷温水に特殊な界面活性剤を少量添加すれば棒状ミセルを形成し、クモの巣が張った様になり、冷温水がバラバラの抵抗の大きな乱流になるのを防げることが分かり、大幅な輸送コストの削減ができるようになった。この界面活性剤は5ナノメーター程度の長さで、これが集合して数100ナノメーターのミセルとなって水の流れを制御して層流として抵抗が減るのが原理です。
この原理を応用して、兵庫県庁3号館の空調設備で実証試験を行っていて、ポンプ動力を31%削減できた実績が出ています。
2.[見学会]12:15〜1:00 薄井先生の案内で施設を見学した。
・機械工学科産学連携室(機械工学科神吉教授:ヘリコプターの操縦制御技術の研究)
・講義室(200人が入れる映写装置を備えた立派な階段教室)
・教員研究室とコモンスペース(談話室)
・薄井研究室の一部(上記研究室)
・山口誓子記念館(俳人山口誓子が西宮で住んでいた住居を移設した建築物)
・神大会館(百年記念館と六甲ホール)
3.[懇親会]1:00〜2:10 LANS BOX 2F
司会 神戸大学工学振興会 理事 島 一雄
乾杯:薄井工学部長
東神戸が一望に見渡せる眺めの良い部屋で、各同窓会から集まったメンバーが和気あいあいと懇親を深めた。始めて六甲キャンパスに来られた方もいて、「講演も分かりやすく、よく理解でき、キャンパスも素晴らしい」「今日の企画はよかった」という声が聞かれた。
『KOBE工学振興懇話会』にご興味のある方は下記にご連絡ください。
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