今年で第7回目となる神戸大学クラブ旅行同好会の旅行目的地は、【三国志】の舞台の一つであった”蜀“の首都成都に加え、ユネスコの環境世界遺産に指定されている九寨溝と黄竜と決定、村上陽一・和子夫妻、安中一雄氏、野村康治氏、金原正展氏、谷口彰彦氏、米田勍・美千代夫妻、柴田千晶氏、池上淑子の計10名が参加した。
成都市は中国南西部に位置する四川省〔人口役8000万人〕の省都である。関空から成都空港まで上海乗継を経ておよそ5時間ほどの距離にあり、考えていたよりずっと近かった。
四川省といえば、パンダに、四川料理の代表摩婆豆腐ぐらいしか知らなかったし、北京以外は自転車通勤が大半と漠然と思っていたが、シェラトンホテル泊後成都観光に繰出して初めて車の波、波であり高級車も何台も目にして唖然とした。当然ながら高層ビルも建ち並び、最近の数年間の劇的な経済成長振りに加え、いまや世界経済は中国抜きではありえないといわれていることを実感として肌で知ることと成った。
まず成都の郊外に建つ、三国時代の蜀の名宰相諸葛孔明を祭っている武候祠を見学、すぐ隣には主君劉備玄徳の陵墓もあり、劉備殿では劉備、関羽,張羽、劉禅などの塑像を、孔明殿では孔明一家の塑像などを、三国志に描かれている人物像に想いを馳せて興味深くながめた。また唐の詩聖といわれる詩人杜甫の草堂や道教の寺院の【青羊宮】も見学したが、何処も竹林や梅、柳など深い緑に覆われていかにも中国的な庭園が目を楽しませてくれた。夜は四川省の地方劇〔中国国家的な劇としては京劇だが゛〕の川劇観賞で華やかな
舞台に目を奪われた。
翌日は早朝ホテル出発、予定より2時間遅れで海抜3500メートルの高さにある、九寨溝黄竜空港に到着。辺り一面見事な雪景色で、予想以上の寒さに震え上がった。九寨溝は四川省のもっとも奥にあり9つのチベット民族が集落をなしていたところに由来する。
「九寨帰来不看水」九寨溝をみると他のどんな水をみてもつまらないという意味だとか。
湖底が見えるほどの透明さ、何より言葉にできないほどの水の色はコバルトグリーンのあでやかな美しさで人々の心を魅了する。今回初めてデジカメ持参で心に残る風景を撮った。
是非とも言葉足らずよりは画面で〔大きくして〕九寨溝や黄竜を楽しんでいただけたらと願うしだいである。きっと一度は行ってみたいと思われることでしょう!!
九寨溝黄竜を3日かけて楽しんだ後、最後の日は北京市内観光、天安門広場や北京の街並を人力車で楽しんだ。そして郊外のパンダ動物園でおなじみのパンダを思いっきり身近に、なんとパンダを抱きしめる機会を得て感激!感激! 大満足だった。
これで夜に帰国できれば言うことなしの素晴らしい旅の筈が、台風23号の影響で一日北京に足止め、空調のないホテルで風邪気味で帰国したものの、いまだに九寨溝の見事な湖水の色は目に焼きついて私の心を魅了している。
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